P.D.Malloch/Side Caster

付属品: なし

スコットランドのマロック社のスピニングの原型となったとされる非常に珍しいリールです。
1872年頃にPeter Dancan Malloch氏により創業されたメーカーのリールで、
このサイドキャスターはパテントの取得が1884年で1888年頃に販売されたようです。
1号機（本品）はオールブラス製、その後マイナーチェンジを繰り返しますが、
基本的な仕様は変わらず、スプールを90度横に倒すとラインが出て
スプールの位置を戻すと巻き取りが出来るという至ってシンプルな仕組みです。

このリール以前にも木製の横転リールは存在していたらしいのですが、
製品化されたのはマロックだった故にこのリールがスピニングの原型と云われる所以の様です。
マロック、イリングワースのパテントが切れたことによりスピニングのリールは急速に発展し、
現在に至る訳ですが、そういった背景を考えると感慨深い趣のあるリールではないでしょうか？

サイズが幾つか存在する様ですが、今回出品するのは最大サイズです。
残念ながら比較の対象がないのでどの位のサイズですかと言った質問には残念ながらお答えする事が出来ません。

今回整備は行っておらず現状渡しですが、構造は至ってシンプルで特に分解が難しい機種ではないので
落札者様の方で整備をお願い致します。

クリッカー良好です。
ハンドルノブはねじ込み式で元々固定式と思われますのでノブは回りません（固着ではありません）
また、ノブに画像の様な一部ダメージが見られます。
巻き取りはスムーズですが、クリッカーの近くで軽く擦れる音がします。
ブラス製なのでスプール他に緑錆が発生してます。
リールフットに少し歪みが見られますが、このまま装着は可能な範囲かと思われます。

詳細な販売年は不明ですが、オールブラス製の初期タイプと思われるので
最低でも大凡120～130年は経過しているのではないかと思います。

説明の通り、現在一般的に流通しているリールとは古さの桁が圧倒的に違い、
ビンテージと言うよりもアンティークというニュアンスが適当な品ですので、
そう言った事を考慮して入札をして頂く様お願いします。